スカイ・ライダーズ

自転車に乗ります

イコールプーリーでお手軽シマニョーロ

この間恵比寿駅にほど近い広場で輪行袋にチャリンコを詰めていたら突如警官3人に囲まれまして、アァとうとうこのブログにも言論統制が...などと絶望的な気分になりながら尋問(?)を受けていたんですが、話を聞くところによると彼らはどうやら輪行袋を広げる僕を見てテントを張っていると思ったようです。そりゃねえよ。

GWが暇すぎたのでシマニョーロをしました。10速です。

シマニョーロとはなんぞや?と言う方。簡潔に言えばSTIのみカンパエルゴに換装してシマノのコンポを動かすっつー裏技的なやつです。他にもシフトメイトや大回しなどの手法が編み出されていますが、僕はいちばん楽ですっきりしているイコールプーリーを使用するやり方を選択しました。タイトルが「レンジで簡単茶碗蒸し」的なノリなのもそのせいです。

 

用意した材料です。

  • シマノ RD-6700-SS
  • カンパニョーロ アテナ エルゴパワー('10)
  • グロータック イコールプーリー(赤)

以上です。お手軽ですね。中古パーツばっかを寄せ集めたので、総じて2万円も掛かってません。僕は特にリア11枚目の必要性を感じなかったので10sのままでシマニョることにしましたが、10s環境から11s化する場合でもRDは10s用を使えるため、イコールプーリーの色を金にして、11sスプロケを買い足すだけなので2万を少し超えるくらいの出資で済みます。下手したら6800アルテの中古で11s化するより安いかもしれません。どうせ値段が同じくらいなら面白いことしたくないですか?僕はしたいです。

このへんは調べればすぐ分かることですが、4700系Tiagra以外の10s環境をお使いの方はここからRDの購入が不要になります。4700はワイヤー引き量の点で孤立しているため、使用可能なイコールプーリーが存在しないので10sRDを別途買う必要がありました。また、用意するエルゴパワーはウルトラシフトであることが必須になります。ここで注意がありまして、僕はアテナのエルゴを使用していますが、基本的にはアテナのエルゴはパワーシフトなのでイコールプーリーでのシマニョーロ化には使えません。僕が今回購入した11s最初期モデル(2010年モデル)のみウルトラシフトに対応しているので使用できます。パワーシフトとウルトラシフトを簡単に見分ける方法として、エルゴ内側のリア変速レバー下部に大きな溝が切られているか否か、というのがあります。溝が切られていれば多段シフト可能なウルトラシフト、切られていなければパワーシフトです。コーラス以上は11s化以降ならば全てウルトラシフト対応なので、無条件に使用可能です。12速?知ったこっちゃねえよ。詳しくはグロータックの公式互換表を貼っつけとくのでそれを参照してください。


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ちなみにFDは互換表に関係なく10sでも11sでも正直なんでも使えます。基本的にフロント変速はアバウトです。サードパーティ製でシマスラカンパ兼用みたいなチェーンリングが普通に売ってるくらいですからね。僕はFD-4700で組みました。FD-4700は現行ティアグラのパーツでは一番有用ですね。ロングアームで変速性能は十ニ分、見た目もだいぶ注視しなきゃほぼアルテです。後発下位グレードのFD-R3000の方が引きが軽いという話はありますが。

あと、BR-7900以降のブレーキとカンパエルゴは引き量の問題から公式だと危険性のため使用禁止の互換ってことになってます。なので本当はカンパ用ブレーキも用意した方が好ましいです。まあ実際は普通に使えちゃうので気にしなくてもいいかもしれませんが、推奨はしません。詳しくは僕の過去記事に詳しいです。

さて、シマニョーロとして組んでゆく前に、まずは材料の下ごしらえとしてエルゴパワーにイコールプーリーを組み込む必要があります。これは非常に単純な作業で、特に特殊な技能は要りません。右手側のレバー内部の黒い純正プーリーをアーレンキーで外して、同じ場所にイコールプーリーを取り付けるだけです。ちなみに僕の買ったエルゴでは純正プーリーがクソアホみてーなトルクで締め付けられてて外すのにそこそこ苦心しました。

小細工が必要なのはこれくらいで、あとはフツーに組むだけなので作業内容は割愛します。一つ気をつける点として、シフトワイヤーを通す際には両手側共に親指側のシフターを押し切る必要があります。これをやらないとケーブルを通してもシフトワイヤーを引きません。調整はシマノと同じようにやればオールオッケーです。更にいくつか付け加えるとすれば、カンパのレバーフードはめちゃくちゃ剥がしにくいです。あと、T25トルクスレンチを用意しましょう。エルゴ取り付け時に必要になります。エルゴに限らずカンパはトルクスレンチが用いられてるパーツが多いです。

シフトワイヤーなんですが、結論から言えばシマノ用でも使えます。シマノとカンパではタイコの直径が違うのですが(シマノ:4.4mm、カンパ:3.9mm)、カンパエルゴのワイヤー受けはカンパワイヤー装着時にいくらか隙間ができる作りになっていて、シマノワイヤーがこれにちょうどぴったり嵌まります。なんですがこれ、ぴったりすぎて固着する可能性もあるらしく推奨はできまないので、あくまで可能という話です。気になる人はタイコを削るなんかして加工してください。

 

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 完成です。

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有機的な曲線で構成され、3Kカーボンを身に纏ったエルゴパワーの優美さはシマノにはない華があります。バーテープの巻き方がへったくそなのは見逃してください。どうでもいいですけど、このアテナエルゴはアルミレバーにカーボンラップです。化粧カーボンってやつですね。

肝心の操作感に入りましょう。まずシフトですが、イコールプーリーによるシンクロ率は完璧で、しっかり調整すれば全くチャラつきません。フィーリングとしては、シマノと比較すると全体的にボタン類の押し応えがしっかりあることが目立ちます。特に親指シフターを押した時など、強めのバチッという感覚があります。変速自体のショックがあるという訳ではないですし、引きが重いということもありません。あくまでレバーの反応の話です。僕としてはこの感触がかなり好みで、ギアチェンジが楽しくなりました。積極的にシフターを操作したくなります。またウルトラシフトの特徴である5段飛ばしシフターはしっかりバチバチバチバチバチッ!と飛ばした分だけのショックを伝えるのですが、変速自体は一気に5段飛ばしでした。これも結構癖になります。面白いです。必要となる機会があるかどうかには疑問がありますが、それを追究するのは野暮というものでしょう。また、フロント変速に関しては至って普通なので特に言うことはありません。一般的に他モデルから互換性の点で孤立しているFD-4700でも問題なくスパスパ変速します。懸念だったトリム操作もばっちりです。ま、フロントは変速が2枚しかないんで多少アバウトでもさほど問題ありません。ケセラセラの精神で突っ込んじゃいましょう。

突起部の小ささからブレーキも握り込みやすいです。やはり絶対的な制動力という点では同グレードのシマノ製品にやや劣りますが、スピードコントロールは格段にしやすく感じられました。

 

これは私見ですが、シフト時の感覚、ブレーキタッチのいずれに共通してシマノとカンパの目指す方向性の差異が析出しているようで興味深いです。シマノは操作感をなるべく少なくすることに尽力しているようで、つまり極力ストレスフリーな方向へ進化しているように感じます。Di2なんかはその精神の賜物でしょう。僕は試乗程度でしか触れたことがないですが。対するカンパは、やはりフィーリング重視でしょうか。変速したぞ、ブレーキ掛けてるぞ、てなリアクションをしっかりと返すような設計に意図的にされているのを感じます。工業製品に対するアプローチとしては前者が優れているように思えますが、実際に人が操るスポーツ機材に対するアプローチとしては甲乙付け難いところです。実際にカンパを使用する競技者が第一線でも存在することがそれを裏付けていると言っても良いでしょう。

プロのように絶対的性能を重視する必要のない我々ホビーライダーにとっては、カンパニョーロは一層魅力的な選択肢だと僕は考えます。外通や中古パーツを上手く活用することで、シマノと大差ない価格で組めるとすれば、多くの方にとって一考の価値はあるのではないでしょうか。