多動性生涯

読点と改行を混同しながら書いていますが、頭が悪いのとは関係ありません

ロードキャリパーブレーキの引き量互換の話

以前著した記事【http://sov.hatenablog.jp/entry/2017/09/06/181804

において引き量の記述が少なかったので、元記事に補足でもしようかと思ったのですが、機構と引き量の相関なんかが思いの外ややこしかったので、新しい記事として書いてしまうことにしました

まず抑えておきたいのはSLR-EV、NewスーパーSLR、スーパーSLRってのは、引き量じゃあなくて機構の名前ということです 古いやつだと無印SLRとかもありますが割愛

引き量にはNewスーパーSLR(NewスーパーSLR互換)、スーパーSLR(スーパーSLR互換)があります

ですが、これはおそらくブレーキの引き量自体についてシマノ側が特に定義名を設けていないので、便宜上第三者が名付けたものらしく、そのせいでややこしいことになってます

詳しく見ていきましょう ちなみに当然ですが、同型式のブレーキとSTIの引き量は同一です

まず、SLR-EV(機構名)を採用しているブレーキ(BR-6800、BR-9000など主に11s世代)の引き量は、NewスーパーSLR互換です

で、NewスーパーSLR(機構名)を採用しているブレーキ(BR-6700、BR-7900、BR-4700など)の引き量も、NewスーパーSLR互換です

つまり引き量がNewスーパーSLR互換のSTIで引くブレーキを決める時に、SLR-EVかNewスーパーSLR(機構名)はどっちでもいいわけですね

で、スーパーSLR(機構名)を採用しているブレーキ(BR-7800、BR-6600など)の引き量はスーパーSLR互換です

で、NewスーパーSLR互換とスーパーSLR互換をごちゃまぜにして使う時に互換性の問題が発生します

実線がA互換(本来の性能を100%発揮できる)で、点線がB互換(使えるが本来の性能を100%は発揮できない)です

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噛み砕いて説明します 上半分のボックス2群の引き量がNewスーパーSLR互換、下半分がスーパーSLR互換です

NewスーパーSLR互換のSTIは引き量が多く(=同一ストロークで引いた時に引く力は弱い)、NewスーパーSLR互換のブレーキは弱い力でも強いストッピングパワーが発生します

んで、NewスーパーSLR互換と比較してスーパーSLR互換のSTIは引き量が小さく(=同一ストロークで引いた時に引く力が強い)、スーパーSLR互換のブレーキは弱い力では発生するストッピングパワーは弱い、と

つまり、スーパーSLR互換のSTIとNewスーパーSLR互換のブレーキの組み合わせが公式で禁止されているのは、少しのストロークの引きで強いストッピングパワーが発生されてしまいコントロール性が悪く危険だから、というわけです

NewスーパーSLR互換のSTIとスーパーSLR互換のブレーキがB互換なのは、たくさん引かないとなかなか止まらないからですね

ちなみに、カンパやスラムのエルゴ/ダブルタップとブレーキはスーパーSLR互換です

一般的なシマニョーロ(エルゴのみカンパ)っていうのは本来禁止されてる危険な組み合わせなわけですね まあメーカーミックスちゃんぽんの時点でそんなもん当たり前と言っては当たり前ですが

ブレーキは大事です 死なないように自転車に乗りましょう