考えるのをやめたら死亡

炭酸の抜けたコーラ

minolta α303si

僕はお世辞にも性格がいいとは言えないし、根暗だし、気持ちの悪いおたくだが、なぜか友人にはとても恵まれている。先日、僕の友人の中でも一、二を争うほど愉快で奇ッ怪なある友人(ここではSとしておこう)の家へ招かれたのだが、その時、Sの部屋に見慣れないものがあることに気付いた。察しのいい方はお気付きになったかもしれないが、それが今回取り上げたミノルタのカメラである。それはそこそこ立派な銀塩カメラで、昭和の匂いがするほど古ぼけてはいなかった。フィルムは入っていなかったが、電池は残っており、動作はするようだ。Sはどう考えてもカメラに興味があるタチの人間だとは思えなかったので尋ねると、そのカメラを僕にくれると言う。「あぁ良いよ、どうせ拾ったやつだし、使い方わかんねーから」と彼は続けるが、果たして普通に暮らしていて一眼レフなど拾う機会などあるものだろうか?僕は疑問に思い詳しいことを訊いたのだが、Sは意味深な笑みを浮かべるばかりで取り合わなかったので、世の中には知らない方がいいこともあるだろう、と考え直し、僕もそれ以上追及するのをやめた。かくして僕は、このカメラを一銭も払うことなく手に入れたのである。

 

家に持ち帰って、本体に印字されてあるモデル名をgoogleで調べると、すぐにヒットした。1994年に発売されたミノルタの一眼レフの中位~下位を担うモデルで、関連する個人ブログもいくつか見つかった。特筆するほどの価値はないものの、まあフツーに使えますよ、といった様子。どうやら現在ではヤフオクやジャンクショップで叩き売りになっているらしく、相場は1000円にも届かないようだ。もはやフィルムカメラ自体が趣味の世界なので仕方ないのだろうが、定価は約60000円なので、凄まじい値崩れ幅である。レンズはシグマに換装されていて、28-80mm、F3.5~5.6、マクロモード付きと、割とオールマイティに使えそうだった。

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見た目はこんな感じ。いかにもなカメラって感じがして、結構気に入った。

さて、せっかくなので使ってみようと思い立ったものの、僕が物心付いた頃には既にフィルムカメラなんぞ過去の産物だったので、右も左も分からない。僕は安物だがミラーレス一眼を持っていて、わりかし写真は好きなのだが、その好きというのも、例えば、可愛さが決め手で買ったオリンパスペンで撮った写真を#ファインダー越しの私の世界 みたいなハッシュタグを付けてインスタに投稿して沢山いいね貰って喜んでたけど3ヶ月くらいで熱が冷めてカメラはどっかに仕舞い込んでホコリ被ってます、みたいなゆるふわ女子大生の「あたし写真好き〜!」と同じくらいのレベルの好き、なので、知識もたかが知れている。そんなわけで戦々恐々としながらテキトーに近所のカメラ屋さんに向かったのだが、このカメラ屋さんがなかなか良い店で、人の良さそうなお兄さんが何も分からない僕に手取り足取り教えてくれて、おおまかな使い方は理解できた。そこでおすすめされたフィルムも言われるままに買った。フジフイルムのISO100の24枚撮の業務用のやつ。税込270円。やす。

 

カメラ屋を出て、とりあえずその辺にあったドトールに入って、コーヒーを啜りながら店員さんに聞いたことを反芻しつつスマホでいろいろ調べていたら、ネットで取り扱い説明書が落とせるっぽいことが発覚した。すぐさまダウンロード。便利な時代になったものである。読んでいくと、このカメラ、どうやらかなりフールプルーフにできているらしく、AF、AEは当然のごとく搭載、赤目補正、シーンモードなんかも使えて、Pモード(オートモード)に入れておけば、人がやるのは構えてボタンを押すだけで、あとは全部カメラがやってくれるらしい。つまり、昨今のデジカメとほとんど変わるところはない。

一通り取り説に目を通したので、フィルムを入れて、じゃあ早速撮ってみますか、と店を出たら外は真っ暗だった。まだ5時なのに。

それでも触ってみたくてウズウズしてたから、何も映らないのを承知で、近くにあったオブジェみたいなよく分からない物体にカメラを向けてファインダーを覗いた。光源は建物から漏れる明かりと、電灯のみ。そんでもって手持ち。無理かなぁ、と思いながらシャッター半押し。何も知らなかったらちょっとビビるくらいデカい音でジーッ、ジーッとレンズが動き、必死にフォーカスを合わせようとする。数秒ののち、ジーッが止まった。シャッターボタンを押し込む。露光はぎりぎり足りてたらしく、カッシャーッ、とシャッターが切れた。これだけのことなのだが、いわゆるデジタルネイティブ世代であろう僕はなんだかちょっと感動してしまった。シャッタースピード的にブレまくりだろうけれど。これが2018年12月27日くらいのこと。その後、なんだかんだ結構忙しかったので、その次にカメラを使う機会ができたのは大晦日に友人と忘年会をした時だった。せっかくなので(勝手に)ポートレートっぽいのを撮る。フラッシュを焚けば、ISO100のフィルムで屋内でもわりかしまともに撮れるっぽいことが判明。メシ食った後、夜の公園に繰り出して花火をすることになったので、そこでもフラッシュ焚いて数枚撮った。この時点での撮影枚数は16枚くらいだったのだが、家に帰ってカメラを見ると、何故かパトローネマークが0を指している。どうやら何かのはずみで巻き取りボタンが押されてしまったらしい。

後日フィルムをビックカメラに持って行って診てもらうと、一部光線引きがあるものの、大体は問題なく残っているとのことなので、現像してもらうことにした。データ入りCD-R込みで1100円。まあこんなもんだろうな、と思いつつも、もう一人の自分はフィルム代と現像代を足したのを撮影枚数で割って、一枚辺りの値段を出そうとしていたが、趣味に掛けた金額を考えても誰も幸福にならないと思って算出する寸前で踏みとどまらせた。

家に帰って、ノーパソを開き、2007年で更新が終了しているソフトでCD-Rを読み取ってみると、綺麗に撮れている写真は少なかったものの、想像より数段解像度が高くて驚いた。それに、フィルムカメラ特有のエモさみたいなのもある。御託はいいから早く写真を載せろよという声が聞こえてきそうだが、まともに撮れている写真の被写体が全て友人だったので残念ながらここには掲載できない。

今のところ、このminolta α303siは大して機材に拘りのない僕にはなかなかに満足な一機である。重さも本体のみで400g程度と、そこまで負担にならない程度に抑えられているし、解像度も申し分ない。なんだかミラーレスを使わなくなってしまいそうな気がする。個人的には、フィルムカメラと聞くと敷居の高そうなイメージがあったので、興味を持ちつつも手を出せなかったのだが、いざ踏み込んでみると思いのほかイージーにそれらしい写真が撮れたので、きっかけを与えてくれた友人Sには感謝してもしきれない。カメラの出処には未だ疑問が残るが。90年代くらいのモデルならばカメラ自体がかなり初心者ユーザーにも優しい上、レンズ込みでもちょっと贅沢なランチくらいの値段で手に入るし、まともなカメラ屋に行けば大体のことは教えてもらえるので、興味がある方はチャレンジしてみてはいかがだろうか。今日一日で頑張って2本記事終わらせたので誰か褒めてください。おわり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロードバイクにおける官能性,シマノからカンパに載せ替えて感じたこと

前回の記事(カンパドライブでシマノスプロケを引く - 考えるのをやめたら死亡)の続編,あるいはおまけという感じで書こうと思っていたこの記事だが、なかなか筆が進まぬうちにあれよあれよと時が過ぎ去り、とうとう年をまたいでしまった。というわけで今回は、シマノ・コンポのロードバイクに1年半あまり乗っていた僕が、カンパニョーロに載せ替えて感じたことを書き連ねて行こうかと思う。というより、こっちが本編かもしれない、むしろ。

 

少しばかり個人的な話をする。僕が初めて乗ったロードバイクは、アルテグラで組まれ、ホイールにはデュラエースC24CLを履いたパナソニックのクロモリという、質実剛健という言葉を具現化したような一台で、それは知人の所有物だった。自転車といえば、ホームセンターに売っている24段変速のMTBや、ネット通販でのギシギシうるさい折り畳み自転車程度しか触れたことのなかった僕が、初めてそのパナモリに乗った時の感覚は異次元という他なく、その衝撃は今でも克明に覚えている。

その時から2年弱。かつて異次元だったその感覚はすっかり日常の一部となり、飽き性気味の僕は新たな刺激を欲し始めていた。だが、ホイールは替えたばかりだったし、新しいフレームが必要になるほどオプティモに不満を覚えたことはなく、乗り潰したとも到底言えない。そこで、廉価グレードのコンポーネントを変えてみるということに落ち着いた。ティアグラ4700からのステップアップなので、順当に考えれば6800かR8000のアルテかなぁ、とも考えて、実際にアルテを積んだ自転車を借りて走ってみたのだが、なんだかそこに斬新な感動を見つけることができなかった。当然だが引きの軽さ、変速性能、変速速度、どれをとってもティアグラよりも数段は優れる。でもそれは、ティアグラのそれの延長線上にあるように僕には思えた。モノは素晴らしいのだが、決して安くはない金額の対価として考えると、僕にとっては微妙だった。200g700円のインスタントコーヒーに慣れた舌でもカフェの挽き立てコーヒーの美味さは分かるけれど、僕は紅茶の気分だったのだ。

時間はあるがカネは無かったので、僕はヤフオクSNSを通した個人取引、中古ショップを駆使して、出来る限り安くカンパニョーロの部品を集めることを始めた。蓋を開けてみれば、海外通販でR7000系105のグループセットを買うのと同じくらいの値段でコンポーネント一式を揃えることができてしまった。11速初期~中期のミックスちゃんぽんである(スプロケ、チェーンはコストカットのためシマノを使っているのだけど。詳しくは前回の記事を参照)。

組み付けに関しては大した労力を要さなかった。こういうわけで、案外あっけなく、初のカンパ組みバイクが完成したわけである。

 

スタンドで変速を合わせているだけならば、シマノの感覚に慣れ切った身体でもことさら違和感を覚えることもないが、実際にエルゴを握ってアスファルトに繰り出してみると、その差異は徐々に発現されてくる。リア変速は多少ガチンガチンとしてやかましいかなというくらいだが(これは決して不愉快というニュアンスではない)、フロント変速に関しては話が別だ。載せ替えと同時にチェーンリング歯数も変更した(50-34→53-39)ので同一条件での比較ではなく、歯数差の少ないカンパが若干有利となるはずなのだが、それにも関わらずこの世代のカンパのフロント変速はシマノと比べると、絶対的性能で言ってしまえば正直カスである。フロント歯数の差を差し引かず、更に比較対象が下位のFD-4700とFC-6800の組み合わせとの比較でさえ、だ。FDもチェーンリングも出来が違いすぎる。あと、どうでもいいがエルゴの諸々のせいでトリムが6段階もある(これは4アーム化に伴うマイナーチェンジの際に改良された)。

しかし、僕はこのカンパのフロント変速が決して悪いとは思わない。というよりむしろ、シマノよりもこちらの方が好きと言っていいくらいかもしれない。

フロント変速においてシマノよりカンパが抜きん出て優れる点、それは官能性だ。はいはいお決まりのやつね、と思われるだろうから言っておくが、僕は、シマノと比べられたカンパオタクが決まってのたまう「感性に訴え掛ける〜」だとか「フィーリングが〜」とかいったフレーズが好きではないし、眉唾だと思って鼻で笑う側の人間だ。しかし―シマニョーロの時もそうだったが―実際に乗り比べてみてしまうと、やはりそこに言及しないわけにはいかないのである。

チェーンリングの出来の差が、FDのそれ以上に変速性能、というより変速方式に関わってくるように僕には思える。どこからでもスチャッ、とアウターに吸い込まれるかのようにしてチェーンが上がってしまうシマノに対して、カンパのフロント変速は変速ピンに大きく依存しており、ピンがガチッとチェーンに引っ掛かり、クランクの回転運動によってそれがアウターにグイッと押し上げられる、といった具合が手に取るように伝わる。確かに絶対的な変速性能と、それを簡単に引き出せる点に関してはシマノには遠く及ばない。だが、変速ピンの位置をこちらが考えてやり、それに合わせるようにエルゴパワーのレバーをグッと押し込んでやれば、このイタリア産まれのメカたちは、シマノに肉薄するほど素晴らしい働きをしてくれるというのもまた事実なのだ。そしてその動作がたまらなく愉しいということも。

フロント変速に顕著なカンパの面白さは、もちろん他の部分でも感じることができる。エルゴパワーはSTIよりもしっくりと手に馴染み、変速ボタンもバチンバチンと心地良い音と感触を伝えてくれるので、5段飛ばしのウルトラシフトも相まって、思わず積極的にシフトチェンジをしてしまう。ブレーキは絶対的な最大ストッピングパワーこそシマノに譲るものの、充分に良く効くし、なによりコントローラブルだ。握り込みと共に制動力が高まってゆく感覚はシマノよりも好ましい。ブレーキだけはカンパというロードバイク乗りが一定数見受けられるのもうなづける。

 

 

このシマノvsカンパの構図は、機械の自動化と、それへのアンチテーゼとしての手動操作、もっと噛み砕くとデジタルvsアナログ、というよくある二項対立に当て嵌まると僕は思う。例えばジドウシャにあるMTとDCT(スポーツAT)に当て嵌めてみれば分かりやすいかもしれない。カンパがMT、シマノがDCTである。MTはDCTよりも操作が複雑にも関わらず、その変速性能はDCTに劣る。とにかく速いのがスキ、というスタンスのひとたちにとっては、MTなんて過去の産物だろう。だが、MTには根強い固定ファンが存在し続ける。効率や絶対的な速さよりも、愉しさを追求し、機械との対話を好むひとたちもいる。どちらが正しいなんてない。少し大袈裟かもしれないが、つまりはそういうことではないだろうか。

趣味の世界の自転車においては、アナログな乗り物な分、「マシンとの対話」のようなものが自動車よりも重視される傾向にある。絶対的な速さはひとまず置いておいて、自転車に乗ることを楽しむ。自転車とそういう向き合い方をする人にとって、カンパニョーロはなによりベターな選択かもしれない。少なくとも僕はそう感じた。

カンパドライブでシマノスプロケを引く

スプロケを引く、という言葉は考えてみればおかしいかもしれないとこのエントリーのタイトルを書きながら思った。縮めずに言えば、カンパニョーロ11s環境にシマノ11sスプロケを組み合わせて使う、といった具合だ。

なんでこんなよく分からんアヤシゲなことをしたのかという経緯を軽く述べておく。端的に言ってしまえば、カンパを使ってみたいたいがカネが無いから、だ。僕の自転車はフルシマノ→シマニョーロ10sという遍歴を辿っているので、順当に考えれば次はフルカンパだな、となる。しかしカンパに載せ替えとなると、シマニョーロで揃っているエルゴとブレーキを除いても、クランクセット、前後ディレイラースプロケット、チェーン、カンパフリーをを購入せねばならない。そうして思案を重ねていたところに、とある個人ブログでカンパ11sドライブ×シマノ11sカセット・チェーンで運用している、といった記述を見掛けた。更に調べてみると、どうやらシマノとカンパの11sカセットは、フリー装着時のスプロケットの座標は異なるものの(カンパの方がフリー寄り)、歯ごとのピッチにさほど差は無く、また両社の11sチェーンに関しても、内径・外径ともかなり近い数値である、という知見を得た。多段化の恩恵は意外なところにもあるものだ。

フリー、チェーン、スプロケが浮くのは相当大きい。そうと分かればとりあえずやってみるだけである。

パーツ群は以下の通り。

エルゴパワー:アテナ ウルトラシフト('10)

Fメカ:スーパーレコード('10)

Rメカ:アテナ('11~)

クランク:アテナカーボン パワートルク('11~)

チェーンリング:53-39T XPSS

チェーン:シマノ CN-HG601-11

スプロケ:シマノ CS-5800 11-28T

 

組み付けに特別なことは何一つない。カンパを組んだことがないどころか、シマノを申し訳程度に触ったことがある程度の技量でも簡単に組めるだろう。少なくとも僕はそうだった。

調整に関してだが、本来のカンパフリー/カンパスプロケとの組み合わせよりもスプロケが外側に寄ってしまうため、ロー側がやや調整範囲が狭くシビアだった。今回使用したアテナのリアメカの最大端数は29Tなので、状況によってリア30Tを入れられるかと考えていたが、28Tでかなりいっぱいいっぱいだったので厳しそうだ。またフロントとの兼ね合いもいささか面倒である。リアがロー側に寄り過ぎているとアウターへの入りが悪く、トップ側に寄り過ぎていると今度はアウター側へのチェーン落ちが起きてしまう。まともに変速できるスポットがやや狭いのだ。

だが、それでもしばらく格闘しているとそれなりに変速するようにはなった。

シマノ×カンパニョーロ 11速ミックス SHIMANO×Campagnolo 11spd mix - YouTube

 

サドルにスマホを置いて撮ったのでゴミみたいな動画になってしまったが、大体こんな具合である。

特にストレスを感じない程度には動くが、少しでも速さを求める人、たくさん乗る人には向いていないだろう。感想などはいずれまとめる予定です。

 

 

 

 

イコールプーリーでお手軽シマニョーロ

GWが暇すぎたのでシマニョーロをしました。10速です。

シマニョーロとはなんぞや?と言う方。簡潔に言えばSTIのみカンパエルゴに換装してシマノのコンポを動かすっつー裏技的なやつです。他にもシフトメイトや大回しなどの手法が編み出されていますが、僕はいちばん楽ですっきりしているイコールプーリーを使用するやり方を選択しました。タイトルが「レンジで簡単茶碗蒸し」的なノリなのもそのせいです。

 

用意した材料です。

  • シマノ RD-6700-SS
  • カンパニョーロ アテナ エルゴパワー('10)
  • グロータック イコールプーリー(赤)

以上です。お手軽ですね。中古パーツばっかを寄せ集めたので、総じて2万円も掛かってません。僕は特にリア11枚目の必要性を感じなかったので10sのままでシマニョることにしましたが、10s環境から11s化する場合でもRDは10s用を使えるため、イコールプーリーの色を金にして、11sスプロケを買い足すだけなので2万を少し超えるくらいの出資で済みます。下手したら6800アルテの中古で11s化するより安いかもしれません。どうせ値段が同じくらいなら面白いことしたくないですか?僕はしたいです。

このへんは調べればすぐ分かることですが、4700系Tiagra以外の10s環境をお使いの方はここからRDの購入が不要になります。4700はワイヤー引き量の点で孤立しているため、使用可能なイコールプーリーが存在しないので10sRDを別途買う必要がありました。また、用意するエルゴパワーはウルトラシフトであることが必須になります。ここで注意がありまして、僕はアテナのエルゴを使用していますが、基本的にはアテナのエルゴはパワーシフトなのでイコールプーリーでのシマニョーロ化には使えません。僕が今回購入した11s最初期モデル(2010年モデル)のみウルトラシフトに対応しているので使用できます。パワーシフトとウルトラシフトを簡単に見分ける方法として、エルゴ内側のリア変速レバー下部に大きな溝が切られているか否か、というのがあります。溝が切られていれば多段シフト可能なウルトラシフト、切られていなければパワーシフトです。コーラス以上は11s化以降ならば全てウルトラシフト対応なので、無条件に使用可能です。12速?知ったこっちゃねえよ。詳しくはグロータックの公式互換表を貼っつけとくのでそれを参照してください。


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ちなみにFDは互換表に関係なく10sでも11sでも正直なんでも使えます。基本的にフロント変速はアバウトです。サードパーティ製でシマスラカンパ兼用みたいなチェーンリングが普通に売ってるくらいですからね。僕はFD-4700で組みました。FD-4700は現行ティアグラのパーツでは一番有用ですね。ロングアームで変速性能は十ニ分、見た目もだいぶ注視しなきゃほぼアルテです。後発下位グレードのFD-R3000の方が引きが軽いという話はありますが。

あと、BR-7900以降のブレーキとカンパエルゴは引き量の問題から公式だと危険性のため使用禁止の互換ってことになってます。なので本当はカンパ用ブレーキも用意した方が好ましいです。まあ実際は普通に使えちゃうので気にしなくてもいいかもしれませんが、推奨はしません。詳しくは僕の過去記事に詳しいです。

さて、シマニョーロとして組んでゆく前に、まずは材料の下ごしらえとしてエルゴパワーにイコールプーリーを組み込む必要があります。これは非常に単純な作業で、特に特殊な技能は要りません。右手側のレバー内部の黒い純正プーリーをアーレンキーで外して、同じ場所にイコールプーリーを取り付けるだけです。ちなみに僕の買ったエルゴでは純正プーリーがクソアホみてーなトルクで締め付けられてて外すのにそこそこ苦心しました。

小細工が必要なのはこれくらいで、あとはフツーに組むだけなので作業内容は割愛します。一つ気をつける点として、シフトワイヤーを通す際には両手側共に親指側のシフターを押し切る必要があります。これをやらないとケーブルを通してもシフトワイヤーを引きません。調整はシマノと同じようにやればオールオッケーです。更にいくつか付け加えるとすれば、カンパのレバーフードはめちゃくちゃ剥がしにくいです。あと、T25トルクスレンチを用意しましょう。エルゴ取り付け時に必要になります。エルゴに限らずカンパはトルクスレンチが用いられてるパーツが多いです。

シフトワイヤーなんですが、結論から言えばシマノ用でも使えます。シマノとカンパではタイコの直径が違うのですが(シマノ:4.4mm、カンパ:3.9mm)、カンパエルゴのワイヤー受けはカンパワイヤー装着時にいくらか隙間ができる作りになっていて、シマノワイヤーがこれにちょうどぴったり嵌まります。なんですがこれ、ぴったりすぎて固着する可能性もあるらしく推奨はできまないので、あくまで可能という話です。気になる人はタイコを削るなんかして加工してください。

 

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 完成です。

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有機的な曲線で構成され、3Kカーボンを身に纏ったエルゴパワーの優美さはシマノにはない華があります。バーテープの巻き方がへったくそなのは見逃してください。どうでもいいですけど、このアテナエルゴはアルミレバーにカーボンラップです。化粧カーボンってやつですね。

肝心の操作感に入りましょう。まずシフトですが、イコールプーリーによるシンクロ率は完璧で、しっかり調整すれば全くチャラつきません。フィーリングとしては、シマノと比較すると全体的にボタン類の押し応えがしっかりあることが目立ちます。特に親指シフターを押した時など、強めのバチッという感覚があります。変速自体のショックがあるという訳ではないですし、引きが重いということもありません。あくまでレバーの反応の話です。僕としてはこの感触がかなり好みで、ギアチェンジが楽しくなりました。積極的にシフターを操作したくなります。またウルトラシフトの特徴である5段飛ばしシフターはしっかりバチバチバチバチバチッ!と飛ばした分だけのショックを伝えるのですが、変速自体は一気に5段飛ばしでした。これも結構癖になります。面白いです。必要となる機会があるかどうかには疑問がありますが、それを追究するのは野暮というものでしょう。また、フロント変速に関しては至って普通なので特に言うことはありません。一般的に他モデルから互換性の点で孤立しているFD-4700でも問題なくスパスパ変速します。懸念だったトリム操作もばっちりです。ま、フロントは変速が2枚しかないんで多少アバウトでもさほど問題ありません。ケセラセラの精神で突っ込んじゃいましょう。

突起部の小ささからブレーキも握り込みやすいです。やはり絶対的な制動力という点では同グレードのシマノ製品にやや劣りますが、スピードコントロールは格段にしやすく感じられました。

 

これは私見ですが、シフト時の感覚、ブレーキタッチのいずれに共通してシマノとカンパの目指す方向性の差異が析出しているようで興味深いです。シマノは操作感をなるべく少なくすることに尽力しているようで、つまり極力ストレスフリーな方向へ進化しているように感じます。Di2なんかはその精神の賜物でしょう。僕は試乗程度でしか触れたことがないですが。対するカンパは、やはりフィーリング重視でしょうか。変速したぞ、ブレーキ掛けてるぞ、てなリアクションをしっかりと返すような設計に意図的にされているのを感じます。工業製品に対するアプローチとしては前者が優れているように思えますが、実際に人が操るスポーツ機材に対するアプローチとしては甲乙付け難いところです。実際にカンパを使用する競技者が第一線でも存在することがそれを裏付けていると言っても良いでしょう。

プロのように絶対的性能を重視する必要のない我々ホビーライダーにとっては、カンパニョーロは一層魅力的な選択肢だと僕は考えます。外通や中古パーツを上手く活用することで、シマノと大差ない価格で組めるとすれば、多くの方にとって一考の価値はあるのではないでしょうか。

 

MAVIC Ksyrium SSC SLを買いました。

ほんとはワイドリムの中華カーボンクリンチャーなんかを買おうかな〜と思ってたんですが、気が付いたら13年前のキシリウムが生えていたというのが今回の話です。生えてしまったものは仕方ないので美味しく頂こうと思います。

ところで僕は余談というものが非常に大好きでして、記事を書いていても気が付けば余談が半分くらいとか余談の方が多いとかってことがままあるのですが、今回も例によってそんな感じになりそうなんで、興味のない方は適宜読み飛ばして下されば幸いです。

今日まで息づくキシリウ厶シリーズの歴史を辿ると、初代のキシリウムは'99年に登場しています。それまでも'94年初出のコスミックや'96年初出のヘリウ厶などの完組ホイールは存在したのですが、リムに直接ニップルをドリリングするForeテクノロジーやジクラル(アルミ)スポーク、DSをラジアル組NDSをクロス組としたイソパルススポーキングなど、完組ホイールでしか実現し得ない要素を盛り込んだ革命児的ホイールとして初代キシリウムはリリースされました。'02年モデルのキシリウムSLからは今でもお馴染みであるリム切削技術のISMが導入され、更に軽量化されると同時にほぼ現在の形となっています。現在こそカンパニョーロ(フルクラム)にも採用されているリム切削やアルミの極太スポークですが、それらの技術を最初にカンパが使用したホイールは、僕の知識が確かならばキシリウムSLから遅れること3年、'05年モデルのユーラス、レーシング1です。つまりこれらを最初にやり出したのはマビックで、カンパは後出しジャンケンなんですね。だからなんだという話なんですけど。

そのキシリウムSLの'04〜'05モデルが今回生えてきたホイールです。この世代は無印キシリウムキシリウムエリート、キシリウムSLの順にグレードが上がるので、当然ハイエンドモデルです。Foreテクノロジー、ジクラルスポーク、イソパルス、ISMが全部盛りです。今のキシリウムのハイエンドと比較して足りないのはオフセットリアリムとエグザリットくらいなもんですね。初代キシリウムが出た'00年前後はカーボンホイールはまだまだ未発達の領域で、かのランス・アームストロングを筆頭にキシリウムを愛用するプロ選手も多かったんですが、カーボンホイールの急速な発達と共に徐々にキシリウムはプロユースの最前線から退いてゆきました。とは言っても今回買ったキシリウムSLはギリギリUCIワールドチームクラスのトッププロにも使われていたことが散見できます。

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'05年にサエコキャノンデールがランプレに吸収され、ランプレ・カフィータとなっていた時代のチームバイクにキシリウムSLが使用されています。SIX13かっけー。もっとも翌年'06年からはチーム名がランプレ・フォンディタルに変更されるのと同時にバイクもウィリエールに変更、ホイールサプライヤーもフルクラムとなってしまいました。

ホイールの話に戻ります。先の画像を見ての通り、前作までの黒基調から一転、これでもかってくらいにシルバーシルバーしたデザインです。写真のバイクのSIX13には似合いすぎなくらい似合ってますが、僕のクソミドリアシッドグリーンのオプティモにはちょいミスマッチな気はあります。

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微妙ですね。きしめんスポークとバカでかいKSYRIUM SLロゴのおかげか、実際に装着する前に想像してたよりか悪くないですが、黒リムの方が親和性が高いです。

気になる人は気になるであろう重量ですが、フロントが686g、リアが882gのペアで1568gでした。現行のキシエリのカタログ値はペア1520gなのでそれより重いんですね。まあマビックはカタログ値での鯖の読みっぷりに定評がありますし、実質同じくらいでしょう。元々装着していたWH-RS10が実測1910gだったので、350g程度の軽量化です。

調べたところによると、この頃のキシリウムSLのリム重量は410g前後らしいです。ちなみに現在のキシエリが410g前後で同程度、デュラC24(9000)が385g前後、初代レーゼロが420g前後と言われているようです。ですが、マビックのキシリウムエリート以上のホイールは先述のForeテクノロジーによってリムテープが不要となっているので、リムテープ1本分(約20g)を引くとリムテープが必要なデュラC24とほぼ遜色ないということになります。もちろん個体差がありますし一概には言えませんが、外周部の重量が軽いのは事実です。マビックのホイールはリムが軽くてハブとスポークが重い、てのはそれなりに知られてます。まーマビックはリム屋さんですからね。

これは僕の個人的で稚拙な意見ですが、外周部の軽量化はハブやスポークの軽量化よりよっぽど重要だと思います。ワ○ズロードなんかのHPで廉価なホイールを紹介する時の売り文句に、「外周部重量が重いので、漕ぎ出しは重めだけれど速度に載せてしまえば維持は楽」なんてのをよく見かけますが、どうもあれは子供騙しというか初心者騙しの眉唾にしか見えません。仮に路面抵抗や空気抵抗などを始めとする、移動する物体に対してかかる様々な種類の抵抗が存在しない空間が存在しそこで自転車に乗れるとすれば重いリムの方が速いのかもしれませんが、現実的にはその手の抵抗はライダーに重くのしかかってきます。抵抗に抗って同じ速度を維持しようとすれば、ライダー側は常に加速しているってことになるわけです。加速時には慣性モーメントの小ささが重要なのは周知の事実ですね。物体はエネルギーを入力しなければ移動しません。

そもそも、本当に外周部が重けりゃ巡航が速いなら、プロは平坦なTTステージで比重の大きい物質のクソ重いリムを使ってます。全元素中で最も比重の大きい物質であるオスミウムは比重がアルミの約8.5倍なので、例えばリム重量600gのWH-R500-C30のリムをアルミの代わりにオスミウムで作れば(現実的に可能かどうかは知りませんが)、リム重量5kgオーバーのホイールが作れます。メカニックはホイール交換だけで一苦労です。次第にリムの重量化競争が加熱していくにつれて、重労働に耐えかねてメカニック人口が減り、ロードレース業界は更に窮地へと追いやられ、UCIも重量の下限の代わりに上限を設定することでしょう。

与太話が過ぎたのでそろそろ実走に入ります。

僕の感覚が鈍りきっているのか、最初の漕ぎ出しはさほど軽さを感じませんでしたが、シッティングで普段通りにくるくる回し始めるとスピードの乗りの良さを感じました。平地巡航も同様で、するすると加速していきます。ホイールを交換するとギアが何枚軽く感じたといった表現をよく見ますが、それというよりは、常に追い風に乗っているかのような感覚を覚えます。

登坂はシッティングでもダンシングでも楽に登れるのですが、特にダンシング時が好印象でした。イソパルススポーキングかジクラルスポークか、はたまたリム剛性に起因するのかは分かりませんが、以前感じていたバイクのウィップとホイールのたわみがシンクロしていない感覚がなくなり、シャキシャキ登るようになりました。この傾向は平地で高トルクを掛けた際にも見られ、ペダリングに合わせてカンカン進みます。

一般的に硬いと言われる高剛性リムにアルミスポークということで、最大の懸念要因だった乗り心地なのですが、これが意外と良くてびっくりしました。よく聞く脚に来るという感覚もありません。13年前のホイールの上中古なので、金属疲労によるものかもしれませんね。マビックのリム精度の高さや、1bar程タイヤの空気圧を落としたのも+に働いているかと思います。

また、クソだゴミだと散々な言われようのハブですが、前オーナーさんのメンテナンスかよかったのか普通に転がりました。普通に走っていて渋いとか転がらないって感覚はしません。フリーのラチェット音は下品すぎない程度のやかましさで、カンパ系に比べると低周波のジリジリ音で、僕はこっちの方が好みでした。歩行者除けには十分ですし。

 

まとめです。車体とのビジュアル的なマッチングこそ微妙ですが、その他の点では全方位大満足なホイールでした。今のところ本当にケチの付けようが無くて困ってます。次回はシマニョーロ化についての記事を書こうかと思います。それではまた。

純正タイヤからコンチネンタルGP4000S2へ (比較)

この間コラムカットをした時に、プロショップのおにーさんにそろそろタイヤの交換が必要だね、と言われたのでタイヤを変えました。シュワルベ・ルガノくん、1年半お疲れ様です。タイヤを新調するにあたって、ロード乗りの知り合いにはシュワルベワンを勧められ、自分ではハッチソンのフュージョン5ギャラクティカなんかが欲しいかなあと〜思ってたんですが、安いとこ探すのも面倒だったんで定番のGP4000S2を選んだという経緯があります。耐久性が高めなのでランニングコストも低くなりますし。どうでもいいですね。

本題に入る前に、定番の定番、日本人へのiPhoneのシェア並の普及率を誇り、掃いて捨てる程ネット上にインプレが転がっているGP4000S2の記事をなんで今更書くのかっちゅー話をちょっとします。インターネッツに見られるこのタイヤに関する私的な記事は、「各社フラッグシップタイヤとの比較」と「純正タイヤとの比較」に大きく二分されると僕は分析してます。前者は有名ブロガー(笑)みてえな偉〜〜〜〜いお方がそれはもう圧倒的かつゴージャスかつワンダフルかつアンビリーバブルな情報量で書いてるパターンが多く、後者はどこの馬の骨とも知れないチャリンカスが、「巡航速くなった!w買ってよかった〜😂」というような非常に質素で簡潔でカジュアルで口当たりの軽い文章に帰結しているパターンが多いです。そして今回僕は後者側の記事をなるべく粘っこくしつこく書くという試みに挑戦することを決意した、ってわけです。僕もどこの馬の骨ともの知れないチャリンカスの一人なんですが。

 

まず今回GP4000S2の比較対象となる(哀れな)タイヤは、冒頭でも触れたシュワルベ・ルガノです。実売1本2000円程度の、まともなメーカーのボトムレンジですね。ネットでの評判はかなり悪いです。ヴィットリアだとザフィーロ、コンチだとウルスポなんかと競合します。

コンチ全般に言えることがどうかは知りませんが、このGP4000S2については実際のタイヤ幅が表記値より太いことで結構有名です。それを考慮したのと、今使っているホイール(WH-RS10)がナローリムなので23cを検討していたのですが、25cの方が安く買えそうだったので25cにしてみました。まあいずれホイールを買い換えるとしてもこのご時世です、きっとワイドリムだしまあいっか〜、ってなノリです。


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パッケージではお馴染みコンチネンタル・マダムが好戦的な視線を浴びせかけてきます。製造者が消費者を見下すというコンチネンタルの姿勢には最早あっぱれと言うほかないでしょう。このおばちゃん、前作GP4000Sでは4人だったのがS2で二人に減ったらしいです。やはりリストラでしょうか。

余談はさておき。コンチのタイヤは嵌めにくいとよく言いますが、特にそんなこともなくわりかしあっさりと嵌まりました。ルガノと大して変わんないです。

また、やはりタイヤ幅はだいぶ太めです。装着時は実測で27mm近くあり、同じ25cのルガノと比較してももっこり感がだいぶ増します。これは見てくれ的にも走行性能的にもあんまし好ましい事ではないのでぼちぼちおニューのホイールを探さなきゃですね。また、フレームによってはクリアランスが足りずフレームに擦る可能性もあるので注意が必要です。

 

早速走行インプレに入ります。もちろんこれは僕個人の感想であって、人によって感覚は違うので参考程度にお願いします。ちなみにチューブはコンチネンタル、空気圧はルガノで走っていたときと条件を揃えてフロント6.5barリア7barです。

まず漕ぎ出し〜加速時の感覚ですが、ルガノと変わらないです。重量的にはこのタイヤは公称225gと、他社フラッグシップと比較してもそこそこ軽量な方で(例えばVittoria CORSA G+が250g)、公称重量が350g(!)のルガノと比較すると前後で200g以上軽くなっているはずなのですが、僕が鈍いのか感じ取れませんでした。あ、登りは少し楽になったような気がしないでもないです。よく聞く「ギアが1枚軽くなった」みたいなペダリングが軽い感覚は皆無ですが、転がり抵抗の低さからか、上死点/下死点付近で駆動力が掛かっていなかったり弱まったりしている時の失速が若干抑えられているような気がしないでもないです。まあ要は誤差範囲ってことですね。GP SUPERSONIC(23c/150g)くらいまで行けば感じられるのかもしれませんね。

巡航性能の向上は明白に感じました。巡航性能の向上と言っても、巡航するのが楽というのは適切な表現ではなく、スピードを載せるのが容易というよりは、いつも通りの強度で回しているのにメーターを見ると数km/h速度が乗っている、という感覚に近いです。これもやはり路面抵抗の低さからくるものでしょう。登り坂や加速では外周部の重量が大きなファクターを占めてきますが、平地巡航や下りでは軽量化よりも摩擦抵抗を減らす方が圧倒的に効いてきます。ハブなんかも然りです。

この性質は、惰性走行時に更に顕著となります。具体的な例えを出すとすれば、少し先の信号が赤になったのを目視して脚を止めて惰性走行+ちょいブレーキでゆるやかにスピードを落としていく、といった場面でルガノの感覚でそれをしていると、信号間近で想定よりスピードが落ちていなくてちょっとひやひやする、というような感じです。下り坂でも気持ちスピードが乗りやすい気がしました。あと足元から聞こえるゴーーーッって音が耳に心地良いです。

また、コーナリング性能の向上も大きく感じました。高速域からブレーキングしながらコーナーに突っ込むようなシチュエーションで、ルガノではブレーキング中にリアが流れるだとか、コーナリングフォースが足りないってことが多々あり怖い思いをすることも頻繁だったのですが、GP4000S2ではそれが無くなり、想像通りのラインをトレースできるようになりました。がっちりグリップするので安心して飛び込めます。

走りとしてはトータルで見ると速くなっているのは当然ですが、僕としてはそれよりも走っていて感じる「ああ、俺路面抵抗少ねえ乗り物に乗ってんな」という感覚がとても気持ち良くて気に入りました。

ここまでまあまあ褒めそやして来ましたが、このタイヤには大きなウィークポイントがあります。乗り心地です。これに関してはルガノよりもだいぶ酷いと感じました。

他社フラッグシップタイヤと比較するとGP4000S2の乗り心地がよろしくない、っつーのは事前に見聞きして知っていたましたし、ある程度の心構えはできていたのですが、シュワルベワンやPro4どころか安タイヤのルガノよりも劣悪な乗り心地だとは思っていなかったのでちょっとショックです。よくわからん表現で申し訳ないのですが、ルガノが「コン」と伝えてくる振動が「ゴン」になり、「ゴゴゴ」が「ガガガ」になります。僕は通学において、舗装の悪さで(僕の中で)悪名高い国道1号の川崎付近を利用するのですが、数km走っただけで手とお尻が悲鳴を上げました。手はTNIの超々ジュラルミン製のハンドルから、お尻はカーボンの板に等しいサドルから受ける振動攻撃はもはや新手の拷問です。先述のコンチネンタル・マダムがあのような表情をしている意味がようやく分かってきます。あれは彼女らからの「ふん!アンタ、生半可な覚悟でアタイたちの作ったタイヤを使おうとしてるんじゃないかい?そんなんじゃあ痛い目を見るわよ!」てなメッセージなのでしょう。

耐久性については未検証なので追って補足という形で付け足すかもしれませんが、一般的には耐久性が高いタイヤと言われていることは付け足しておきます。

 

まとめです。走行性能は純正タイヤからの変更で全方向において数段向上すると言えますが、(僕の場合)乗り心地については劣化するという結論に落ち着きました。ロングライドには向いていないかもしれませんが、クリテリウムなどレース用途には適したタイヤでしょう。あとドMの人はこのタイヤにするのがいいです。強く推奨します。

全然まともなこと書けてないですが、今回はこの辺で筆を置きます。では。 

【中華】San Marco Aspide Superleggeraさん

 

こないだの記事で今使ってるサドルの銀レールと厚みが気に食わねえ、てな話をしましたが、結局新しいサドルを買ってみたのでその話です。

僕は機材を買うたびにいちいち記事を書くほどマメな人間ではないですし、その必要性をあまり感じないので(必要性なんぞ言い始めたら個人ブログなんぞやってられませんが)これまでもそんなに書いてきてなかったんですが、今回は中華カーボン、メーカー品のパチモン(いわゆる黒中華)っつー性質上、興味を持たれる方も多いかと推察したので記事にすることにしました。 

タイトル通り今回買ったのはイタリアブランド、Selle San Marcoのハイエンドモデル、Aspide Superleggela(のパチモン)です。Superleggelaっつーのはイタリア語で超軽量を意味し、チャリ業界だとDedaのハンドルのハイエンドモデルがこれを名乗ります。クルマだとランボルギーニ、バイクならドゥカティエボリューションモデルがこの二つ名を付けますね。

重量は109g以下を保証と、超軽量を名乗るだけあって確かにおそろしく軽いです。話は逸れますが、実はこれでも最軽量級ではなく、パッドすら貼られてないキワモノ系だと、ボントレガーやセライタリアなんかが60g台のを出しますし、僕が知ってる中での最軽量はアメリカの新興ブランドdash cyclesのp3ってやつで、なんと公称37gです。ほんとかよ。

話を戻しましょう。このアスピデスーパーレジェーラさん、メーカー希望小売価格だと5万円くらいしやがります。1g換算で500円、つまり1円玉に500円です(は?)。たかがチャリのサドルを数十g軽くするために5万ですよ。この辺にチャリンカス、じゃなかったローディの金銭感覚の狂いっぷりが出てますね。これが商材として成り立ってるってことは、この価格でも買う人がいるってことですからね〜。

僕にはその感覚を理解できないので、ぱっと見違いがわからないパチモンを中国の通販サイト、Aliexpressで購入しました。こちらはお値段3000円を切ります(2018年3月現在)。現在装着されているセラサンマルコ・ポンザが実測290gだったので、3000円で200g近い軽量化と考えれば安いものでしょう。仮に商品が期待外れなものだったり、すぐに壊れても、3000円と考えれば諦めも付きます。ちなみに今回アスピデのパチモンを選んだ理由として、先に述べた現在のサドルも同じくサンマルコ社製で、更に同社のラインナップの中でも比較的座面の形状が類似している、というのが半分くらいあります。残り半分はデザインです。Aliexpressには他にもフィジーク・アリオネR3や00のパチモンもあったりするんですけどね。

ところで、AliexpressっつーサイトはAmazonマーケットプレイス的なシステムでして、セラーと呼ばれる売り手から直接商品を購入するので、若干リスキーな側面があります。なぜなら奴らは中国人です。こちらの常識は通用しません。支払いから発送するまでに1ヶ月なんて日常茶飯事ですし、商品が届いた時に既に壊れてたとか、そもそも届かないとかも割とザラです。Aliで物を買うときは商品のレビューやセラーの評価を細かくチェックしましょう。お兄さんとの約束だぞ☆

結局、注文から2週間ちょっとで商品が届きました。これはまあまあってとこですね。褒められるのは梱包で、発泡ウレタンがぎゅう詰めにされたバカでかい袋で届きました。セラーによってはカーボン製品でもビニール袋に包んでダンボール箱に入れてポイ、なんてことは往々にしてあります。というかついこの間それに当たったばかりです(爆)。それについてはいずれ詳しく記事にします。

では検分に入りましょう。いいトコロその①。当たり前ですが、手にすると拍子抜けするほどあからさまに軽いです。この感覚は超軽量なカーボンバイクをひょいと持ち上げた時のそれによく似ます。

実測です。

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キッチンスケールなんで正確性は微妙ですが、一応102gでした。 同商品のレビューを見てみると、軽いのだと101gから重いのだと112gまで見られました。多分それなりに当たりを引けたってことになるでしょう。その②。パッドが事前に想定していたよりは厚かったです。もちろん薄いものは薄いんですが、僕はカーボン板に薄皮一枚ぺらっと貼られてるくらいを考えてたので、押したら凹む程度の厚みがあったのは個人的にはサプライズでした。その③。ポンザや純正サドル比ですが、座面の合皮が滑りにくいです。お尻がブレません。

だめなトコロ。塗装、というかロゴのプリント精度ですが、これがちょっと△です。ぱっと見じゃ分からない程度ですが、よく見ると粗さが目に付きます。とは言っても正規品と見比べたわけじゃないですし、そもそもの購入価格を考慮すればケチを付けられたものではないんですけど。

ちなみにこの商品、ご丁寧にメーカー正規品を表すシールとクオリティチェック済のシールまで貼られてます。

さて、取り付けの話に入りましょう。と言ってもポン付けするって訳にも行かず、現在付けてるサドルとの座面の高低差分だけシートポストの出代も調整しなきゃなりません。

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分かりにくい背景で申し訳ないですが、パッドと本体の厚みのぶんポンザとはだいぶ差があります。大体1cmくらい違ったので、シートポストも1cm多く出します。

サドルの取り付けにあたって、カーボンレールの性質上トルクレンチは必須です。僕は横着者なので手ルクレンチで済ませてしまいましたが。ハンドルとステムは走行中にもげたら確実に死にますが、サドルはもげたとこで死ぬ確率は低いでしょう。死ななきゃいいんです。(ちなみにハンドルとステムはアルミ製のをガッチガチに締め付けてます。)

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装着図です。SUPER REGELLAのロゴのみホワイトなのがアクセントになっててシャレオツですね。

その後、20km程ですが走ったんで、そこから分かったことをいくつか記しておきます。

まず、このサドルを買うにあたって一番の不安要素であった、極薄パッドによる痛みや疲労の増加に対する懸念ですが、これは意外にも大したことがありませんでした。座面の形状が使い慣れたポンザとよく似ているのも大きかったと思いますが、サドルの縦方向がキ○タマの辺りまでライン状に綺麗に凹んでおり、それが痛みの軽減に繋がっているのではないかと思います。レール、シェルのカーボン化による衝撃吸収効果についてはさほど感じられませんでした。シートピラーをカーボンにした時も何が変わったのか全く分からなかったこともあり、期待してなかったので別にいいんですけど。

また、先程も述べましたが、パッド表皮が滑りにくく、お尻のズレ、ブレが少なくなったのでペダリングが多少安定した気がしました。あくまで多少そんな気がした、程度です。

これは多くのまともなロードバイク乗りの方にはどうでもいいことでしょうけれど、平気で普段着のままロードに乗る僕には気になる点がありました。信号待ちなどでトップチューブにまたがり、そこからスッとお尻を後にズラし座る、というようなシーンで、先端部分がズボンの股の部分に引っ掛かることが時々あるんです。もちろんレーパンならそんなことも起こらないでしょうし、多くの方は気にすることは無いとかと思います(ちなみに僕はロードに乗るならサイクルジャージにビンディングが絶対だろ、みたいな古臭い考え方をしている連中が大嫌いです)。

感じたことはだいたいこれくらいです。ロングライドでどうなるかは微妙ですが、ちょい乗りの感触は◎でした。

軽量性、ビジュアル共に素晴らしく、走ってみても想定よりも快適だったので個人的にはかなり満足な買い物でした。あとは耐久性だけですね。